TailwindCSSでCSS変数を使用する際、text-[var(--custom-variable)]
のような記法で思わぬ問題に遭遇することがあります。この記事では、その問題の原因と効果的な解決方法を解説します。
問題の概要
TailwindCSSで以下のような記述をした場合:
<div class="text-[var(--custom-size)]">テキスト</div>
この記述は期待通りに動作しない可能性があります。なぜなら、Tailwindのtext-[]
記法は自動的にcolorプロパティとして解釈される傾向があるためです。
なぜこの問題が発生するのか
TailwindCSSのtext-[]
記法は、以下のような優先順位で解釈されます:
- 色の値として解釈 –
text-[#ff0000]
、text-[red]
など - font-sizeとline-heightの解釈 –
text-[16px/1.5]
など
CSS変数を使用した場合、Tailwindは変数の内容を事前に判断できないため、予期しない動作をする可能性があります。
解決方法
1. プロパティを明示的に指定する
最も確実な方法は、設定したいCSSプロパティを明示的に指定することです:
<!-- font-sizeを設定したい場合 -->
<div class="[font-size:var(--custom-size)]">テキスト</div>
<!-- line-heightを設定したい場合 -->
<div class="[line-height:var(--custom-height)]">テキスト</div>
<!-- 複数のプロパティを同時に設定 -->
<div class="[font-size:var(--custom-size)] [line-height:var(--custom-height)]">
テキスト
</div>
2. Tailwindの設定ファイルで定義する
tailwind.config.js
でCSS変数を定義し、Tailwindのクラス名として使用する方法:
// tailwind.config.js
module.exports = {
theme: {
extend: {
fontSize: {
'custom-sm': 'var(--text-sm)',
'custom-md': 'var(--text-md)',
'custom-lg': 'var(--text-lg)',
},
lineHeight: {
'custom-tight': 'var(--line-height-tight)',
'custom-normal': 'var(--line-height-normal)',
}
}
}
}
使用例:
<div class="text-custom-md leading-custom-normal">テキスト</div>
まとめ
TailwindCSSでCSS変数を使用する際は、text-[]
記法の制限を理解し、適切な方法を選択することが重要です。プロジェクトの要件に応じて、最適な解決方法を選択してください。
明示的なプロパティ指定やTailwindの設定ファイルでの定義など、複数の選択肢があることを覚えておけば、柔軟で保守性の高いスタイリングが可能になります。